「給料よりも仕事量の負担を減らしてほしい…」保育士の給料と仕事量

「給料よりも仕事量の負担を減らしてほしい…」保育士の給料と仕事量

保育士の給料については、昨今ニュースなどでよく取り上げられています。『命を預かる仕事なのに安すぎる』『時間外勤務が多すぎる』『持ち帰り仕事が多いが、全てサービス残業みたいなものだ』と、保育士からすればもっともだと思う部分も少なからずあると思います。

【一例】保育士の給料

※詳細は各リンク先にてご覧ください。

私は今まで『保育士』『幼稚園教諭』と言う職業しかしたことがないため、他の職種と比べようがないのですが、実際に自分の給料明細を見て『安いなー。』と思ったことは実はありません。
それはもっと給料が欲しい、と思うよりも『この仕事量をどうにかしてほしい』と思うことの方が断然多かったからです。

サービス残業・持ち帰り仕事が当たり前な保育士の仕事量

保育士は、早番もあれば遅番もあります。当たり前ですよね。朝早く出勤する保護者の子どもを預かり、遅くまで仕事をしている保護者もいます。
私の働いている園では、上記に挙げた『早番』『遅番』からの『残業代』はしっかりともらっていました。

しかし、壁面を作っていたら20時過ぎていた。書類を書いていたらこんな時間になってしまった…というサービス残業と呼ばれるもの対しては賃金は出ません。

もっと簡潔に言うと『あらかじめシフトで決められた、保育をしている時間外分だけ手当をつけます』というものでした。
あとは、完全にサービス残業です。なるべく勤務時間内に仕事は終わらせましょうと何度も言われましたが、そんなこと不可能ですよね。

昼間は子ども達と共に過ごし、私は以上児クラス担当でしたので午睡もほぼありません。たとえ午睡があったとしても、保護者との連絡ノートの記載をするだけでいっぱいいっぱいです。

また、書類を書いている間に子どもたちに何かあっては大変ですので、自分の仕事ができるのは定時30分前から。この30分も掃除をしていたら終了です。
結局、机に向かって自分の仕事ができるのは定時を過ぎてからになります。

ワーキングマザーには保育士のお仕事と家事に育児は負担が大きすぎる

以前も書きましたが、『保育士はやりがいのある仕事』だと今も思っています。しかし、保育士をしていると、莫大な仕事量に身がもたなくなることも事実です。
実際私も、『この持ち帰り仕事さえなければ、もっと仕事を続けたかったのに』と何度思ったか分かりません。

子ども達の制作の準備や、日誌等を計画通り行おうとすると、やはり残業をしていくか自宅に持ち帰っての作業になると思います。
1日働いて、自宅に帰って一息つく暇もなく残りの持ち帰り仕事をこなしていく。結婚し、子どもが生まれるとそこに家事と育児が加わる。保育士は体力勝負ですが、家に帰っても仕事をこなすことは並大抵のことでは務まりません。

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今、保育士の給料を上げようという案が出ていますが、私自身はお金よりも保育士1人あたりに圧し掛かる仕事量をもう少し減らしてもらえないかと願うばかりです。

現在『子どもが大好きだから、給料は安くても平気』『サービス残業だって当たり前』そんな風に割り切って頑張っている保育士事情を少しでも変えてもらえればと思います。

この記事について

筆者:yuuna
保育士歴:8年(幼稚園教諭の期間も含む)
投稿日:2016年5月4日
記事編集:はる蔵

編集後記「給料を上げ、負担を減らすが理想的」

前回の記事で、はる蔵はこのように言いました。

保育士って、行事が終わればまた次の行事…と、年中追い詰められているような感じですよね。大きな行事以外にも芋ほりや各季節のクリスマス会とか、毎月の誕生会とか、園によっても違いますけど、この仕事量…とにかくハンパない。

記事:保育士が保育園の行事を成し遂げるまでの流れ

稀に「子どもと遊んでお金になるなんて楽な職業」とか言っている人もいらっしゃいますが、言い方は乱暴ですが「保育士なめんな」ですよ。

仕事中に走り回って体力を消耗。子どもの命を預かるのですから、神経張り巡らせ全体を見守る。よって心身ともに疲れます。

それに加え持ち帰り仕事を含めれば徹夜作業で毎日2時間睡眠なんて時期もありました。能力のない自分だからなんですけど、ピアノが全然弾けなくて家族に迷惑かけながらも朝方までピアノの練習していたこともありましたね。

そして翌日、睡眠不足で保育に支障があってはならないため、全力で眠気との戦い。

保育士の声にも「給料を上げてほしい」とか「仕事量の負担を減らしてほしい」などいろいろありますが、結局仕事量と給料、その対価が見合ってないからですよね。

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財政上、完全なる保育士の対価でお給料を高めることは難しいでしょうから、給料を少しでも上げつつ、仕事量の負担を減らす、これが一番理想的だと思います。まず、お偉いさん方には1日とは言わず最低でも1ケ月くらい責任をもって職業体験をしていただきたいものです。良き改善を求む!

この記事を読んでいただいている皆さんは、お給料がアップするか、お給料はそのままだけど仕事の軽減、どちらを取るかと聞かれたら、どちらを選びますか?

気になるところなので、もし良かったら理由もつけてコメント投稿していただければ幸いです。
はる蔵は場合はどっちもなんだけど、あえて選ぶなら仕事量の軽減です。仕事だけが生きがいではないためです。

以上、コメントお待ちしております。

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コメント一覧

  1. ももちゃん より:

    保育士の賃金に関してはもう何年も前から叫ばれていますが本当に切実な問題ですよね。
    子どもが好きだから就いた仕事。それでも実際問題として、そのお給料のなかで自分自身の生活の基盤をつくっていかなければならないことも現実問題としてありますもんね。

    わたしが働いていた保育園でも、仕事量が毎年増えていっていました。
    それは保護者のニーズにあわせていってたからです。一昔前だったら、「先生はすごい人。子どもたちを毎日見てもらってありがたい」という風潮だったのが、最近では、「もっと安全にこどもを見るべき。それに保育園でなにがあったのかなどもっと細かく教えて欲しい」などという保護者がとても多くなっていることも事実です。

    ですが、そのニーズに全て答えようとすると先生たち自身がパンクしてしまって保育を楽しめなくなってしまうのですよね。
    わたしの保育園ではそのことを会議の議題にあげてそれからはできるところは減らしていこうということで具体的にこの報告の紙は前までは大きな紙にびっしり書いていたけれどそれからは小さな紙に数行書くので良い。などというように細かく減らしていったところで先生たちの負担がとても減りました。

  2. emifuru より:

    私は保育園と幼稚園でそれぞれ正社員、役所の臨時職員、パートとして働いてきました。
    そこで思ったことは、正社員だとパートより給料が多い分仕事量が多く、サービス残業も多い。パートだと、正社員の先生の仕事の手伝いや壁面を任せられるが、持ち帰りの仕事もなく、残業もない。

    役所の臨時職員は自分がまかせられた子供の書類記入はあるものの、正社員ほどの量はない。やはり、給料から見ると、もらっている分正社員の仕事量が多くなり時には持ち帰りも仕方ないかもしれませんが、それがサービス残業になってしまうということに対して腑に落ちないし、昼間は子供の面倒を見て子供が下校してからは書類やら壁面やら事務作業をして、時間内に終わらなければサービス残業、こんなシステムでは子供が好きでも保育士になりたいとは思わないのではないでしょうか。プライベートな時間も仕事に費やしている気分で自分も仕事をしていたことを覚えています。

    保育士は子供の命を預かり育てていく仕事です。子供の面倒を見て、書類整理もしてというのはやはり大変です。各々の園でどのようにしなければいけないのか、改善の余地はあるのではないかと思います。

  3. みかんてぃ より:

    保育士の仕事量は多いですね。
    増える一方。
    昔から続いている内容は減らない。
    まさに悪循環ですね。

    私は、仕事量、給料の安さ、人間関係を理由に退職しましたが、同じ園から給料10万増やすからと言われても絶対に戻りません。

    仕事の内容、人間関係の良し悪しは、決してお金に変えられないですね。
    でも、どんな職業よりもやりがいがあると自信を持って言えます。
    もっと働きやすい環境を、園全体で作っていけたらいいと思います。

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