絵本選び・読み聞かせのポイント

絵本選び・読み聞かせのポイント

目次

  1. 絵本選びについて
  2. 絵本の読み聞かせで注意すること
  3. 絵本に関する基礎・基本

絵本選びについて

筆者:yuuna
保育士歴:8年(幼稚園教諭の期間も含む)

子ども達が楽しみにしてくれる時間の一つが、先生が読んでくれる絵本の時間だと思っています。「今日は何?」と聞いてきたり「明日はこれ読んで!」とリクエストしたり、子ども達が目を輝かせて絵本を持ってくる姿もよく見られます。

絵本も様々あり、今日はどれを読もうかなと考えていると本当にあっという間に時間が経ってしまうほどです。

絵本を選ぶときに、まず担当年齢を考慮して絵本を選ぶ保育士がほとんどなのではないでしょうか。
乳児クラスの子に長々と絵本を読んでも、『楽しい時間』にはなりません。また、以上児クラスで話が短い絵本ばかり読んでも、物足りないと思うこともあると思います。
年齢に見合った絵本を探すことは、絵本を選ぶときのポイントの一つですよね。

また、季節に合った絵本を探したり保育内容への導入として絵本を用いることもあります。それだけではありません。子ども達に伝えたいメッセージがある時に、絵本を介して伝えることもできます。

また、子ども達全員に好きな絵本一冊選んでもらって、それを順番に読んでいったこともありました。子どもが選ぶ絵本って、大人からするとなんでこんな絵本を選んだんだろうと思うこともあるのですが、実際に読んでみると面白いものが多いんです。子どもの直感や感性ってやっぱりすごいですね。

事例「あえて非対象年齢の絵本を選び、読み聞かせをしたねらい」

私が以前5歳児クラスを担任していた時の話です。4月当初、クラスの様子を見て長時間座っていることが難しい子が多いなと感じました。

その時、隣のクラスを担任していたベテラン保育士さんにアドバイスしてもらった言葉をご紹介します。

「赤ちゃんの子が読むような絵本を、5歳児に読んでいけないことはない。4月頃は話が短い本を読むことから始めて、徐々に話が長い絵本も取り入れていくと良い。そうすると、1年後には今よりも落ち着いて座ることが自然と身についている。

そのように教えてもらい、絵本はただただ子ども達のイメージや世界観を広げるものではなく、保育士がもつ『ねらい』によって様々な場面で活躍してくれる保育教材へと変わるのだと気付きました。

アドバイスしてもらった一年は、読む絵本の中身や内容、話の長さを考えながら保育の中に取り入れていきました。そして、3月を迎える頃にはストーリーのある話も座って聞いている子どもの姿がいました。

もちろん、絵本は子ども達のイメージを広げ、ワクワクできるようにするためのものです。子ども達を静かに座らせるためだけのものではありません。子ども達にどんな本を読もうか、読んだ時どんな表情をするかな、と保育士自身も楽しんで絵本を選んで子ども達と一緒にワクワクしながら読んでいってもらえればと思います。

絵本の読み聞かせで注意すること

筆者:ももちゃん
保育歴:9年半

保育の現場ってなにかと絵本の読み聞かせをすることが多いですよね。歩いたり走り回ったりする「動」と同じくらい、絵本を読んで静かにする「静」の時間も大切だと言われています。
静があるからこそ動の時が思い切り身体を動かせて楽しい、動を思い切り満喫したからこそ静の時間も楽しむことができる、というように二つの時間を上手に組み合わせることが保育の時間設定では必要不可欠なこととなっています。

そんな絵本の読み聞かせについてですが、気をつけなければならないことがいくつかあります。

注意点「読み切ること」

まずは物語のある絵本に関してはその日のうちに読み切るということです。保育時間が無くなってしまい読みきれないままだと知らず知らずのうちに子どもたちのストレスになります。
しっかりと保育時間の調整をして子どもたちの中で絵本の内容が完結するようにしてあげましょう。

編集者から

はる蔵が実習生の頃の話になりますが、次回の楽しみのためでしょうか?その他にもねらいや理由があったのかもしれませんが、一度で読み切ることなく、毎日少しずつ絵本の読み聞かせをしている保育士さんもいらっしゃいました。

  • 読み切る場合:ストレスなく一気見できてしっかり内容が頭に入る。
  • 少しずつの場合:じらされて少しストレスになるけど、話の続きが楽しみで明日も保育園に行くのが待ち遠しい。

それぞれのメリットがあります。これは保育観の違いであり、どちらも正解なのだと思います。

注意点「感想は求めないこと」

絵本を読み終わったあとに必ず感想を聞く人がいますが、これはなるべく避けてほしいです。
大人の目線で「この絵本に出てくるメッセージ等、この子は理解しているのか」というのは興味深いことは分かります。しかし毎回終わったあとに感想を求めていると、子どもが絵本の読み聞かせをしてもらっているときに物語に入り込めなくなってしまう可能性があります。最後に感想を答えられるように…ということがインプットされてしまうからです。

もちろん自ら子どもが話題にしてきた時には、感想を言い合ったり振り返ったりすることは良いことですが、読み手である大人が毎回感想を求めるというのは絶対にやめましょう。

絵本は子どもたちの想像力を大きく大きく育てるために必要不可欠なものです。一冊でも多く、そして良い絵本を読み聞かせてこころが豊かな子どもに育って欲しいですね。

絵本に関する基礎・基本

記事編集者:はる蔵

絵本の選び方から読み聞かせ方まで1記事で学べるように、今回はyuunaさん、ももちゃんさんの文章をひとまとめにして編集してみました。2人とは違い基本的なことしか言えませんが、いちお僕からも絵本選びや読み聞かせのポイントとアドバイスをしたいと思います。

はる蔵が新人の頃の話です。当時僕は子どもたちに一度でもウケた絵本を得意になって何度も読み聞かせしました。しかしその頻度は考えるべきでした。
いくら大好きな絵本であっても、適度でなければ飽きてしまいます。新しい物語でドキワクしたいこともあるでしょう。

何度でも読んでほしい魅力的な絵本の楽しさ・はじめて見る絵本のワクワク感、それぞれ違った良さがあると思いますが、これを上手に使い分けていくのがいいと思います。
子どもたちの意欲的な好奇心・冒険心を刺激しながら、多種多様の絵本を読んであげてほしいです。

最後にもう一つアドバイス。子どもたちに絵本を集中して見てもらうポイントなんですが、声のトーン・抑揚を工夫してみてください。絵本を読む時には保育士兼声優です。

また、声だけではなく表情も変えて読むのもいいですね。子どもたちは絵本を読んでいる時の保育士の表情にも注目していることもあります。例えばちょっぴりこわい場面の時など。一例になりますが「おおきなかぶ」で、かぶがなかなか抜けない時には踏ん張るような表情をするのもいいですね。

それと絵本だけではなく紙芝居でもそうなんですが、次のページをめくる速度を変えるなども重要です。素早くめくるべき場面なのか、ゆっくりじらしながらめくる場面なのか、それをしっかり見極めましょう。

子どもたちがその世界に入り込むような読み聞かせができるように工夫してみてくださいね。

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コメント一覧

  1. emifuru より:

    絵本の読み聞かせ。子供たちは絵本の時間が大好きだと思います。
    短大の授業で絵本の読み聞かせの時間がありましたが、恥ずかしさが入り、うまく読むことができず、とても苦手意識を持っていました。しかし、実際幼稚園教諭、保育士になったとき、先輩の先生が絵本の読み聞かせをしている場面を目にしたとき、自分は大人なのに、絵本の世界に引き込まれました。もちろんまわりの子供たちも絵本にくぎ付けです。

    上記にも書かれていましたが、絵本には年齢は関係ないし、絵本を読む声のトーンによって、子供たちを絵本の世界に引きずり込むことができると思います。それはとても大切なことだと思います。私も先輩の先生の絵本の読み聞かせを真似させていただきながら絵本を読む回数を増やすことでなれることができました。

    また、絵本を読む前にざわざわしている子供たちを落ち着かせるために手遊びの導入も大切だと感じています。絵本は落ち着いた雰囲気の中で読んであげるのが一番ではないかと感じています。

  2. emifuru より:

    子供は絵本の時間が大好きですよね。
    私は絵本を読むのが苦手でした。しかし、回数や年数を重ねるうちに大好きになりました。
    絵本の中の役になりきり読み聞かせをすると子供も絵本の世界にはいってくるなと感じました。
    また、上記にも書かれていましたように、場面場面によっての読むスピードも大切だと感じました。

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