障がい児保育に携わる保育士の方へ

障がい児保育に携わる保育士の方へ

今まで私が受けもったクラスの中には、支援を要する障がい児も何人かいました。私が勤めていた園では、私はクラスの主担任、障がい児をフォローをして下さる保育士の方が副担任として配置されていました。

障がいも今は様々な診断名があり、障がいの種類・程度・その子の個性を含め、個々に対して的確な支援が必要となっています。

障がい児保育の事例紹介

新人の頃、先輩の保育士に「障がい児担当の先生は、障がい児のための先生だけれども、あなたはこのクラスの担任なのだから2人でその子への最良の支援を考えていく必要がある。もっと言うと、障がい児の子だけではなく子どもは園全体で見守っていく必要がある。」と言われました。

当時の私にとっては、この言葉がとても衝撃だったことを覚えています。
障がい児担当は副担任の先生、私はそれ以外の子たちの先生と、知らず知らずのうちに自分で線引きを引いてしまっていたのです。
そんなことはなく、みんな大切なクラスの子どもたちなんだと実感しました。

障がい児保育は本当に難しいと思います。新年度の始めに前担任との引継ぎ、その子個人の年間指導計画、月別の指導計画、週ごとの指導計画…とその子が何に困っているのか、どんな部分を育てていきたいのか、園全体としての共通理解、また、保護者の方との連絡も密にとっていく必要があります。

また、指導計画を立ててもそれは計画であって、その子の様子や成長によって見直しや訂正が必要です。

副担任の先生とあーでもない、こーでもないと毎年頭を悩ませながら、その子が抱えている困ったことや苦しいことをどうやって支援していくべきか暇があれば話し合っていました。
そうなると、担任と副担任の関係も良好でなければいけません。有り難いことに、私の保育士時代は本当に人間関係に恵まれていました。
障がい児が何か困ったことがあれば、副担任とアイコンタクトで瞬時に互いがどうするべきかを判断する術が身に付いたほどです。

担任として私が障がい児保育で気をつけたことは、その子もクラスの一員なのだと子ども達に伝えていくことでした。
その子には副担任の先生がついているから、と子ども達が感じてしまえば、障がい児はクラスの子たちとの間に大きな壁ができてしまいます。

集団行動が苦手で、なかなかクラスに入れない障がい児がいれば、クラスの子に「○○君がいないね。だれか優しいお友だち○○君を呼んで来てくれないかな。」と声をかければ、手を繋いでその子を連れて来てくれることもあります。
障がい児も、私達が声をかけるよりも友だちに声をかけてもらった方が明らかにスムーズにクラスに戻れることも多くありました。
そんなことを続けていくうちに、子ども達がその子がいないことに気付き、自然とその子を探して手を繋いで戻ってくるという姿にも繋がります。

障がい児保育は、その子だけではなく周りの子ども達も成長させる、と当時の園長によく言われましたが本当にその通りだと思います。そのお手伝いをするのが私達保育士です。

職員同士の連携、また、専門な先生や保護者の方との連絡を密にとることなど、自分ひとりでその子を抱え込まずにみんなで見守っていける保育ができたらと思います。

この記事について

筆者:yuuna
保育士歴:8年(幼稚園教諭の期間も含む)
投稿日:2016年4月27日
記事編集:はる蔵

編集後記「加配保育士の経験から考える、障がい児保育とその役割」

難しいテーマなのでなんとも言い難いのですが、障がい児保育についての経験や考えをお話しいたします。
ケースバイケースなので無意味な話である場合もあるかと思うので、あらかじめご了承ください。

以前、はる蔵が4歳児クラスを受けもった時に加配保育士として障がい児担当をしましたが、主に障がい児の担当でもあり、クラスの副担任でもあるという立場でした。
これはあくまでもポジション配置として、名目上のようなものです。

加配保育士であれクラス全体の月案・週案・おたよりも書きましたし、障がい児以外の子の児童表も書きましたよ。もちろん書類以外もなんですけど、1週ごとに主(全体)と副(障がい児サポート)を交代しやっていました。

と言うのは、yuunaさんが上記で言っていたとおりです。そのクラスに配属された以上、クラス内に2人保育士がいればお互い協力し合う。この場合、役割分担ってなかなか線引きすることはできないし、そもそも徹底して線引きするものではない気がするんですよね。

めちゃくちゃ極端ですけど、クラスの自由遊びの中で、その障がい児だけと関わる・遊ぶなんてこと不自然すぎますよね。そこに2人の先生がいるのに、1人の先生としか関われないなんて子ども達からしても謎ではないでしょうか?

それに同じ保育士とは言っても違う人間であり、関わりも異なります。その異なる関わりから、その子に最適な支援や誘導方法・特徴などが見つかるかもしれません。これは障がい児に限らずですけどね。
だからこそもっと言えば園全体で共有し、園全体で携わっていく必要があるのだと思います。

もちろん担当だからこそより手厚く関わる必要はあるし、その子を見守る必要はあるでしょう。しかし担当・担当じゃない問わず、同じクラスの同じ保育士として配属された以上、絶対的な役割分担ではなく、意識的な役割分担がベストかなと。

ごめんなさい、言っていること意味不明ですよね。

より分からないという声が聞こえてきそうですが、サッカーのポジションで例えれば分かりやすいかも。
守備担当が攻撃に入ったら他の担当の者が守備側にまわり陣形を保つ。臨機応変にね。

そして試合後に得たもの学んだことを共有。これぞまさしく連携・チームワーク。
こんなあり方が最適なんじゃないかと思うわけです。

最後に、本記事の筆者であるyuunaさんの事例紹介と結論なんですが、これすごく大事だなことだと思います。何度読み返しても素晴らしい内容。
お片付けの時に保育士が声かけるよりも、お友達効果の方が抜群でしたし、周りのお友達も積極的に協力してくれました。

加配保育士だからと言って何でも自分がなんとかしなくては…と担当意識でハリキリすぎてもいけない。その気持ちは大事ですけど、柔軟な考えと適度なハリキリが大事かなと思います。熱血さも素敵な情熱ですが、周りが見えなくなるような保育にだけはならないようにしましょう。

関連記事
乳幼児期、障がいの早期発見と早期対応の大切さ

スポンサーリンク

コメント投稿

サブコンテンツ

ページの先頭へ戻る